内向型だからこそ、生み出せる美容の価値|まつげエクステサロン「KuRiKuRi」を営む津田梨恵さんをお迎えして。

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Vol.2-4 【アフタートーク】まつげエクステサロン「KuRiKuRi」を営む津田理恵さん

長澤文庫Encounter 経営者インタビューVol.02

今回ご紹介するのは、埼玉県・南浦駅近くでまつげエクステサロン「KuRiKuRi」を営む津田梨恵さん
サロン名の「KuRiKuRi」がそのまま愛称となり、業界やお客様からは“クリクリさん”と呼ばれて親しまれています。
もともと美容師として活躍されていた津田さんですが、「まつげエクステ」との出会いをきっかけに独立開業し、現在は創業10周年を迎えました。今回は「暗闇の読書会」を開催している「長沢文庫」の番組にゲスト出演された音声インタビューをもとに、津田さんの歩みや大切にしている想いをまとめています。

津田さん自身、「内向型タイプ」である自分の特性を活かしながら経営を続けてきたそうです。

「静かな人の戦略書」(ジル・チャン著)に共感したエピソードも興味深く、仕事面・プライベート面で“自分らしい働き方”を探る方々にとって、大きなヒントになるかもしれません。


美容師から「まつげエクステ」へ――独立のきっかけ

体力面の限界と、サロン勤務からの転身

津田さんは長く美容師として現場に立っていました。しかしサロンワークを続けるうちに「体力的に厳しくなるかもしれない」という不安がよぎったそうです。特に、美容師の仕事は長時間立ち仕事になる場合が多く、子育てや家庭と両立するには困難な面も大きかったといいます。

そんなときに出会ったのが、「まつげエクステ」でした。自分が施術を受けた際、「わずか数ミリのまつげが変わるだけで、こんなに気分が上がるのか」と衝撃を受けます。手軽に目元の印象が変えられ、朝のメイク時間も短縮でき、なおかつ自信が湧いてくる。その魅力を多くの女性に伝えたいと思ったのが転身への第一歩でした。

南浦和の小さなサロン「KuRiKuRi」オープン

独立から10年。津田さんは南浦和駅近くのビル一室で、完全予約制のプライベートサロンを運営しています。
サロン名である「KuRiKuRi」は、“まつげをくりんとカールさせたい”、“視界が明るくなるくらい気持ちが前向きになってほしい”という願いが込められており、現在では地域のお客様を中心に、口コミやリピーターを通じてじわじわと認知度が高まっています。

「女性が朝起きて、鏡を見たときにまず『疲れてない自分』に出会えるのはすごく大きいんです」と語る津田さん。
マスカラやビューラー不要で目元が華やかになるマツエクは、[忙しい女性に自信と時短をもたらすツール]という想いで提供されているそうです。


“内向型”を自覚――「静かな人の戦略書」との出会い

「外向的になるべき?」という葛藤

美容業界、とりわけ接客業の世界では“外向的な人”が活躍しがち、というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。津田さんも当初は「人脈をどんどん広げる」「SNSで積極的に自己アピールをする」というやり方に憧れはあったものの、どうしても自分にしっくり来ず、終わった後にどっと疲れてしまうという経験を重ねていました。
それが「自分は根本的に内向型かもしれない」と意識し始めるきっかけとなります。

“内向型であること”はデメリットではない

そこに一筋の光を与えたのが、ジル・チャン著の『静かな人の戦略書』でした。内向型=ネガティブではなく、むしろ観察力・思考力・集中力が高いなど“内向型ならではの強み”に焦点が当てられているこの本は、「内向型でも、自分の特性を活かした仕事の仕方やコミュニケーションができる」という希望を示してくれたのです。

書籍から得た学び

  • 人それぞれに“最適なペース”や“得意な表現方法”がある
  • 集団の場でも無理にガンガン前に出なくても良い
  • 自分なりの計画や戦略をじっくり練ってから一歩ずつ行動することが大事

津田さんはこの考え方に大きく共感。「自分に合ったやり方を見つければ、美容の仕事でも充分にやっていける」と確信を持ったといいます。


暗闇の読書会に参加――心理的安全性と“クッションのような声”

人と会うのは楽しいけれど疲れる

一方で、内向型というのはしばしば“疲れやすい”という特徴ともセットになります。これは津田さんも強く実感しているそうで、「たくさんの人と会って楽しいのに、帰宅後にどっと疲れる」――まさに内向型あるあるです。
そんな彼女が足を運んだのが、「長澤文庫Encounter-暗闇の読書会-」。ここでは、いろいろなバックグラウンドをもつ人が“自分の人生を変えた一冊”を共有し、暗闇の中で語り合います。

あえて名前を呼び合うことで生まれる安心感

読書会のコンセプトには【心理的安全性】を重んじる姿勢があり、そこでの会話では「自分が呼ばれたい名前」で呼び合うのがルールの一つ。
津田さんも「クリクリさん」で統一し、参加者同士があだ名やファーストネームで呼び合うことで、壁が一気に下がったそうです。
大人数が苦手という方でも、自分のペースで発言しやすい雰囲気があり、そこが内向型の津田さんにとってとても心地よかったとのこと。

声質が伝える“受け止め力”

番組の司書見習いのトーマス・J・トーマスさんは、津田さんの声を“クッションのような柔らかさ”と評していました。
これはまさに、内向型の持つ静かで相手を包み込む力ともいえそうです。接客の現場でも「お客様の言葉に耳を傾け、受け止める」姿勢が評価されており、まつげエクステが終わった頃には、施術だけでなく心までリフレッシュされた――というリピーターの声が多いのも頷けます。


経営者として大切にしていること

1. お客様の心に寄り添う

津田さんのサロン「KuRiKuRi」では、一人ひとりの来店理由や悩みに丁寧に向き合うことを何より重視しています。

  • 「朝のメイクが面倒」
  • 「目元にコンプレックスがある」
  • 「子育てや仕事で自分のオシャレに手が回らない」

そうした思いに共感し、施術後のイメージまで一緒に考えられるのは、先述した“受け止める力”が成せる技でしょう。

2. 自分のペースでチャレンジする

内向型といえども、常に新しい一歩を踏み出したいという気持ちも大切にしているそうです。むしろ自分の性格に合った形でリスクを見極め、周到に下調べしてから行動するというスタイルは、“戦略家”としての側面を発揮しやすいのかもしれません。
「勢いでSNSを一気に攻めるのは難しいけれど、今は少しずつ発信を始めてみようと思っている」とのこと。
10周年を迎えた区切りとして、次のフェーズを模索中です。


家庭との両立と今後のビジョン

子育てを経て得たもの

津田さんはかつて、子育て期を「とにかく手探り状態だった」と振り返ります。
母親としての言葉がけが子どもの価値観を形づくる――そう思うと不安も募り、日々疲弊した時期もありました。
しかし、それを乗り越えた今だからこそ、「どこかで外向型になろうと無理をするのではなく、自分の特性を踏まえてコミュニケーションするほうがいい」という考えに行き着いたといいます。

美容を軸に広がる未来

サロン名「KuRiKuRi」のブランドは大切にしつつも、もしかしたら未来のどこかで“まつげエクステ以外”の美容へ展開するかもしれない、と語ります。
いま実際に決まったプランはまだないものの、「歩き出してみないと、どこに行き着くかはわからないですからね」と笑顔を見せる津田さん。内向型ならではの探究心と慎重さはそのままに、新しいチャレンジをしてみる――この柔軟さこそが10年続く経営の秘訣なのかもしれません。


まとめ:内向型の強みをいかした“自分らしい経営”

本インタビューを通じて見えてきたのは、「内向型だから経営に不向き」という考えはまったくの誤解であるということ。
津田さんのように“人の話を丁寧に聞き、じっくり考えてから行動する”スタイルは、むしろ長く愛される仕事を築くうえで非常に有効なのです。

  • 津田さんが実践しているポイント
    1. 心理的安全性を尊重する:相手がリラックスできる環境づくり
    2. 無理のないペースでチャレンジ:外向型のやり方を真似せず、自分のスタイルを確立
    3. 受け止める力を活かす:お客様の声や気持ちに寄り添うことで信頼関係を築く

美容師からまつげエクステへ転身し、10年という節目を迎えてなお、新たな一歩を模索し続ける――その探究心こそが「KuRiKuRi」サロンの魅力をさらに高めていくことでしょう。

これからも「クリクリさん」こと津田梨恵さんは、ご自身のペースを大切にしながら、多くの人に“朝の自分の顔を見るのが楽しみになる”ようなサービスを届けていくはずです。
内向型であっても、いや、だからこそ生み出せる価値――ぜひ今後の活躍にも注目してみてください。


KuRiKuRiサロンへのお問い合わせについて

現在、「KuRiKuRi」サロンは南浦和駅(西口)付近で完全予約制にて営業されています。看板の有無や営業時間など、タイミングによって異なる場合があるため、詳しい予約方法は下記フォーム(長澤文庫Encounter-暗闇の読書会-のお便りフォーム)からお問い合わせください。

今後、サロンの公式SNS等が開設された際は更新情報をお伝えする予定とのこと。
気になる方はぜひ引き続きチェックをしてみてください。


【PODCAST】長澤文庫Encounter-暗闇の読書会-をお聴きください。

この記事は、【PODCAST】長澤文庫Encounter-暗闇の読書会-のアフタートークをもとに作成されました。
実際のトークにはさらに詳しいエピソードや掛け合いが含まれますので、興味のある方はそちらもぜひご視聴ください。

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▶️Vol.02-2 内向的だけど社交的な人もいる!内向的と外交的の対比|「静かな人の戦略書」ジル・チャンさん著を通した対話

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